みなさま、ようこそ深淵境界線へ。

案内人のフチと申します。

今回お見せする深淵は原作:梨氏、画:景山五月のモキュメンタリ―漫画、「コワい話は≠くだけで。」です。

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昨今のモキュメンタリ―ホラーを牽引する若きホラー作家氏が原作を担当している作品で、2022年から2024年まで連載され完結し、全3巻が発売されています。

フチ
フチ
梨氏の作品としては、デビュー作となっている「かわいそ笑」の発売よりも早く連載された事実上のデビュー作です。

漫画だからできる表現を多く使われた、モキュメンタリーホラー漫画作品の傑作です。

この記事を読むとわかること

  • 「コワい話は≠くだけで。」とはどのような漫画か
  • 原作者:梨氏のプロフィール、他作品は?
  • 「コワい話は≠くだけで。」と共におすすめできる作品

それではともに深淵を覗いていきましょう。

コワい話は≠くだけで。」とは

「コワい話は≠くだけで。」のあらすじ

普段はwebや雑誌で活動している漫画家の景山五月に担当編集よりホラーや怪談をテーマに漫画を書くことを提案され、実際に編集部に提供された話や体験者と対面で聞く話などをネタにすることが決まり怪談を集め始めるのだが⋯。

怪談を集める中で景山氏が直面する恐怖、日常の何かが確実に狂っていく様が描かれたメタモキュメンタリーホラー作品です。

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コワい話は≠くだけで。」の感想・見どころ

漫画作品にしかできない表現を用いたモキュメンタリ―ホラーの傑作

作画の景山五月氏は普段ほのぼの系の作品を書かれることが多い方です。

漫画だからこそできるデフォルメとリアル作画表現を用いいることで、ページごとコマごとに「静と動」、「緊張と緩和」が生まれる新しい感覚を覚える作品となっています。

フチ
フチ
作画のタッチが変わることで、一気に現実の世界に引き戻される感覚があり、取材している話の事実感と恐怖感がドット押し寄せてくるようです…

リアルなタッチでキャラの表情が描かれている描写もあれば

1ページ進むだけでデフォルメタッチにすることで「静と動」、「緊張と緩和」を表現しているのが素晴らしいです。

(引用元:漫画「コワい話は≠くだけで。」第1話)

漫画作品としてでしかできない表現という部分には以下の梨氏と景山五月氏のインタビューでも触れられていて非常に興味深いので、作品と併せて読んでいただくのも面白いかと思います。

https://realsound.jp/book/2023/01/post-1233849_2.html

ひとつひとつの「コワい話」が後味の悪さに梨節が炸裂している

漫画作品ということで、普段は小説家として文章でホラーを表現している梨氏の作風とは異なるかと思いきや全くそんなことはなく、むしろ取材する体験はしっかり怖さや不気味さを持った梨節が見事に表れています。

フチ
フチ
どこか不安感が残る、後味の悪さがひっかかるような構成はさすがの一言…

「コワい話は≠くだけ」にした方がいいということを痛感するラストに鳥肌

※以下、ややネタバレ含みます。

景山氏は漫画家として取材した「コワい話」を漫画作品として完成させる必要があります。

ただ、その行為こそが「コワい話」が持つ穢れ、呪いを背負うことなっており、事実、景山氏は以下のような行動をとっています。

  • 取材と作品の終了を編集者に申し出ようとする(遮られて未遂)
  • 明らかに精神的な不調を発症している(ブツブツと独り言を言うなど)
  • 取材時に無意識のうちに曰くつきの場所の奥まで踏み込んでしまう

このことから、コワい話」はあくまで聞くだけでよいものでありそれならば別にどうってことないが、作品として残す側に関わってしまった状況はそうではないということを意味していると考えます。

フチ
フチ
景山氏の行く末と、この物語の根源に触れる衝撃のラストは是非あなたの目でご覧いただきたいです…

こちら作品の細かい考察は後日、noteに挙げていこうと思っていますので、是非ともフォローいただき一読いただけると幸いです。

https://note.com/fuchi_shinen

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著者:梨のプロフィール

  • 名前:梨(なし)
  • 経歴:2000年4月20日生 長崎県出身
    幼少期よりホラー作品、とりわけネット怪談への興味を示し、2ch板の洒落怖(死ぬほど洒落にならない怖い話を集めてみない?)に作品の投稿を開始する。
    2015年にはSCP財団に登録し2022年に『SCP-511-JP – けりよ』、『しんに』で高評価を取得。
    同時にnoteやオモコロにて自作小説を書き続け2022年に、22歳の若さで小説家・漫画原作デビューを果たした新進気鋭、新世代を代表するホラー作家の一人だ。
    特徴は恐怖感よりも不快感を残す描写と文章表現、加えて非常に執筆ペースが早いことと、2024年に「行方不明展」、2025年には「恐怖心展」といった体験型ホラー展覧会を開催して大きな話題も呼んだことからもわかる通り広いジャンルに向けた活動を行っている。

フチ
フチ
本作品執筆時に22歳、2026年時点で26歳という若さでホラー業界を牽引する才能に、私は畏怖の念を感じざるを得ません…

著者:梨の別作品

「かわいそ笑」/イースト・プレス(2022年)

梨氏の衝撃の単独小説としてのデビュー作。

現代のネット怪談を紹介するような形でありながら、映画「着信アリ」「リング」に代表されるジャパニーズホラー、伝播系ホラーの要素も多分に含み、読者に語り掛けるかのように展開されていくストーリーは気づいたらその世界の中に入り込んでしまう独特の雰囲気があります。

本本作と合わせて梨ワールドを体感したい人の第一作目として強く推薦します。

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「SCPって何ですか?」/HOWLコミックス(2024~連載中)

梨氏のホラー作品との出会い、執筆の原点となったSCPを題材とした漫画作品です。

こちらの作品もイラストや日常シーンなどの入れ込みがうまく、ストーリーに緩急をつけた漫画ならではの怖さを味わえる作品でありただのホラーではなくオカルトや都市伝説に近い恐怖を味わうことができます。

2026年4月時点で全4巻が発売中です。

「ここにひとつの□がある」/ 角川ホラー文庫(2024年)

こちらの作品は読み手側が作品にどこまで心酔できるか、という度量を求められているとも感じる、あまりにもいい意味で異色の問題作となっています。

フチ
フチ
もはや一種の作者自身のナルシシズムすらも感じる狂気的な作品です

数々の「□」にまつわる短編集が示しだす、結末を是非その目で見届けてあなたなりの考えを見つけて頂きたくなる、超考察系ホラーです。

考察の沼にハマる勇気がある方は是非ご一読ください…。

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「コワい話は≠くだけで。」と併せておすすめしたい作品はこちら

フチ
フチ
モキュメンタリ―ホラーや同じ漫画媒体のホラーをご紹介します

著:背筋「近畿地方のある場所について」/KADOKAWA(2023年)

モキュメンタリ―ホラーを書かれる現在のホラーブームをともに牽引されている背筋のこちらは外せません。

2024年版「このホラーがすごい!」国内編1位を獲得していることからもわかるように非常に評価が高く、2020年代のモキュメンタリー(フェイクドキュメンタリー)ホラーの傑作のひとつであると言えます。

フチ
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こちらの作品も漫画化されていますので、作画を通して感じれる恐怖も是非本作と合わせてお楽しみください…

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著:くるむあくむ「N」/電撃コミックスNEXT(2024年~連載中)2巻まで刊行

2024年に「或るバイトを探しています」で鮮烈なデビューを飾って話題になったくるむあくむ氏が原作を担当している作品「」も非常におすすめです。

謎の宗教団体と思われる「」の存在によってかかわった人が次々に不幸に見舞われる不条理さと謎が渦巻くホラー作人です。

フチ
フチ
現時点では全く物語の行く末が予想できない作品で、不気味な恐怖が入り乱れています…

梨氏と似た雰囲気すら感じる、独特の表現が溢れている才能を持たれているホラー作家の作品をお楽しみください。

著:夜馬裕「厭談夜話」/小学館(2023年~連載中)

こちらは怪談師、ホラー作家として活躍されている夜馬裕氏が原作を担当している作品です。

ストーリーは「コワい話は≠くだけで。」と同様に、夜馬裕氏が様々な怪談を取材しそれを漫画で紹介していくというものですが、個々の会談に繋がりはないものの、各巻ごとに何かしらの過去を持った人たちが目の前に現れる謎の少女によって話を紹介されるという場面も並行して進んでいきます。

フチ
フチ
謎の少女は何者で何が目的か、それぞれの人にどんな過去があり、怪談を聞くことで何が起きるのか…、その本作に一本通った軸として、選りすぐりの怪談の数々をお楽しみください…

それでは、本日の深淵の案内はここまで。

無事に深淵の境界線から現実に戻って来れましたね。

ただし、深淵を覗くときまた、深淵もこちらを覗いているのです。

フチ
フチ
決して飲み込まれて、境界線を越えないようにお気を付けください。

また、この場所でお待ちしております…。

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フチ
深淵境界線の案内人をしているフチと申します。 皆様をこの場所から深淵を覗く手助けをさせていただきます。